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白内障手術しないとどうなる?

医療法人創夢会グループ

白内障を放置すると?

白内障を放置すると、その進行によっては失明に至ることがあります。日本では医療の進歩により、白内障だけでの失明率は低い傾向ですが、白内障を放置することで緑内障など他の重篤な眼疾患を引き起こすリスクも高まります。また高齢になって白内障と診断された場合、他の病気の影響で白内障手術が受けられないこともあります。そのため早期発見と適切な治療が不可欠です。

生活に支障が出ている場合や自覚症状がある場合は、放置せずに眼科を受診しましょう。

白内障を放置した場合のデメリット

①失明のリスク

白内障を放置すると、水晶体が白濁して最終的に液状化し、炎症を引き起こす水晶体融解性ぶどう膜炎のリスクが高まります。この症状は緊急手術を必要とすることがあり、治療後も後遺症が残る可能性があります。

さらに、白内障放置による水晶体の膨隆は眼圧を上昇させ、急性緑内障発作を引き起こすことがあります。日本の失明率において、緑内障は高い傾向があり、特に急性緑内障発作によって欠けてしまった視野を戻すことは不可能です。

②他の目の病気に気づきにくくなる

白内障が進行すると水晶体が濁り、検査をしても網膜の状態を確認することが困難となります。これにより、加齢性黄斑変性や網膜前膜などの網膜疾患の早期発見が難しくなるため、他の眼疾患の早期発見にも影響を及ぼす可能性があります。

③心身への負担

白内障が進行すると日常生活に大きな支障をきたし、心身にも負担をかけます。

視力の低下は、転倒や骨折、認知症のリスクを高めるだけでなく、睡眠障害や生活習慣病の原因ともなります。

視力低下による情報処理の悪化は脳への影響もあり、思考力や意欲の低下にも繋がります。そのため認知症のリスクも上昇します。

また、心身へのストレスは健康全般に悪影響を及ぼし、寿命の短縮にも繋がりかねません。そのため、視力の低下が日常生活に影響を与え始めた段階での白内障手術が推奨されますが、自覚症状がない場合もあるため注意が必要です。

④症状に気づきにくい白内障

基本的には、白内障は生活に支障が出てきたタイミングで手術を検討することを推奨していますが、白内障が進行しても自覚症状が少ない場合や生活習慣によって気づきにくい場合もあります。

進行しても自覚症状が少ない白内障

白内障の中でも「核白内障」は、水晶体の内容物が硬く膨張することで、遠くが見えにくくなる症状が現れます。そのため、老眼が改善され、老眼鏡を外しても手元が見えるようになると勘違いし、症状に気づきにくくなります。

核白内障が進行すると手術に時間がかかり、目への負担が大きくなります。

核白内障と診断された場合は、生活に支障がなくても手術を検討することが望ましいです。

生活習慣によっては気づきにくい

生活習慣によって白内障の症状に気づきにくいことがあります。

例えば、頻繁に自動車を運転する旅行好きな方は、さまざまな距離のものを、さまざまな環境変化の状況下で見る機会が多いため視力の変化に気づきやすいです。

一方、外出が少なくテレビを見ることが多い方は、同じ状況で、同じものを見ることが多いため、症状を自覚するのが難しくなります。

このため、白内障の進行度合いが同じでも、自覚するタイミングは異なります。

白内障の失明率

白内障は主に高齢者に多く見られ、日本では失明に至るケースは稀です。しかし、世界的には白内障が失明の最大の原因とされており、特に発展途上国ではその傾向が強いです。これは、発展途上国では適切な治療を受ける機会が少ないからです。また、適時に治療を受けないことで、症状が進行し、失明だけでなく他の重篤な眼の合併症を招くこともあります。

そのため、先進国と発展途上国とでは、白内障による失明率に大きな差が存在します。

日本における白内障の失明率

世界では白内障が失明の主な原因とされていますが、医療が進んだ日本ではその確率は約3%と非常に低いです。

日本の60代以上では約70~80%が白内障を発症し、80代以上ではほぼ全員が発症します。

手術では濁った水晶体を除去し、新たに眼内レンズを挿入することで、白内障による失明のリスクを軽減します。そのため、日本では失明率が他の多くの国々よりも低く保たれています。

失明した場合、手術で回復するのか?

まず、失明と聞くと「完全に視界が真っ暗な状態」を想像する方が多いですが、一般的には「社会生活が極めて困難な程度にまで視力が低下した状態」を指します。またWHO(世界保健機構)の定義でも失明は「良い方の目の矯正視力が0.05未満」の状態とされています。そのため失明は完全に視力が失われている状態ではありません。

白内障が進行すると、視力の大幅な低下や物が見え方の違和感などの症状が現れます。この状態が進むと、最終的には失明に至ることもありますが、手術により濁った水晶体を除去し眼内レンズを挿入することで視力は回復可能です。

しかし、以下のような場合で失明になった方は、視力の回復が難しくなります。

  • 健康状態が悪く、白内障手術ができない場合
    (寝たきりの状態の方、強い認知症の方は手術ができない場合があります)
  • 白内障の影響により、進行していた他の眼疾患の発見が遅れ、白内障が治っても他の眼疾患が原因で視力が回復しない場合
  • 合併症である急性緑内障を発症して失明した場合
    白内障が進行すると、合併症の急性緑内障を発症する可能性があります。急性緑内障が原因による失明は視神経が圧迫されてダメージを受けるため、視力の回復が難しくなります。