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ICL手術後の見え方や生活の注意点について

医療法人創夢会グループ

ICL(Implantable Collamer Lens)、または眼内コンタクトレンズは、特殊なコンタクトレンズを目の中に埋め込むことで近視、遠視、乱視の屈折異常を矯正する屈折矯正手術の一種です。

この手術は、高い安全性と効果が世界中で認められており、2014年には日本の厚生労働省からSTAAR Surgical社製の「ホールICL」が認可され、症例数も年々増加しており、注目される治療法となっています。

ICLは内眼手術(目の中の手術)に分類され、目に微小な切開を加えるため、術後の感染症予防が重要です。そのためにも患者様には術後の過ごし方について注意していただく必要があります。

ここではICL手術後の生活の過ごし方、注意すべき点、および術後の見え方の変化についてご説明します。

ICL術後の注意点・過ごし方について

術後の定期健診

術後は目の状態を経過観察するために定期的な検診を受けていただく必要があります。

医師の判断によって回数が変更することもありますが、以下を目安に術後の検診を受けていただきます。

保護メガネの着用をお願いします

レンズ挿入の際の切開はわずか3mmと小さく、自然に治癒しますが、完全に閉じるまで時間がかかることもあります。

この小さな切り口から細菌が侵入し感染症が発生するリスクは完全にはなくならないため、感染防止の対策として術後は保護メガネの着用をお願いしております。保護メガネは異物が目に入るのを防ぎ、睡眠中に無意識に目をこすってしまうことも避けることができます。保護メガネの着用期間に関しては、患者様の目の回復状況を見て医師が判断し、詳しく説明いたします(目安:4週間程度)。

術後の過ごし方について

手術後の目は非常にデリケートです。炎症や感染症を防ぐために、術後の日常生活において一定の制限をしていただく必要があります。具体的な制限内容や期間は、患者様の生活習慣を考慮して医師が個別に指示しますが、基本的なガイドラインは以下の通りです。

行動内容

可能になるタイミング

入浴・洗髪・洗顔

・首から下のシャワーは翌日から

・洗髪・洗顔は術後4日目から

※3日目はお顔を拭く程度にしてください

デスクワーク・家事

・基本的に制限なし

※術後当日・翌日は体に負担がかからない程度にしてください

運転

・翌日から可能(翌日の検診にて医師と相談してください)

※術後は視力が安定するまで、ぼやけたりする場合があります。特に夜間の見え方が大きく変わっているため、車の運転は自己判断で再開しないようにしてください

化粧

・目の周りを避けたスキンケアは当日から可能

・アイメイクや目の周りのメイク以外は4日目より可能

・アイメイクやまつげエクステは、1ヶ月間は控えてください

運動

・ジョギングやゴルフなどは1週間後より可能

・水泳やマリンスポーツは、1ヶ月間は控えてください

ICL術後の見え方

ICL手術の直後は、視界がぼやけてはっきりとは見えません。個人差はありますが、回復が早い方の場合、翌日から視力が改善したことを実感されます。多くの患者様は手術後数日から1週間で自然に見えるようになります。

ICL手術は白内障手術と同様に、目内にレンズを挿入する手術ですが、白内障手術では水晶体が取り除かれるため、その後の視力の質が自然な見え方とは異なる場合があります。対照的に、ICLは「後房型有水晶体眼内レンズ」とも呼ばれ、水晶体を残す形でレンズを挿入します。そのため、ICLは水晶体の自然な見え方を維持しつつ、屈折異常を矯正し、手術後は裸眼での生活を快適に送れるようになります。

夜間の見え方に違和感がある?

ICLレンズの特性上、夜間など暗い環境で光が拡散して見える「ハロー」現象や、光が眩しく感じる「グレア」現象が生じることがあります。特に夜間の見え方に違和感を感じることが術後一定期間発生します。

なお、手術後に視力が安定するにつれて、ほとんどの患者様はこれらの症状は次第に気にならなくなります。

術後10年後以降の見え方は?

ICLは視力の劣化が非常に少ないことが特徴で、手術による視力の改善は長期にわたって安定します。ICL手術は20年以上の実績があり、10年以上経過した患者様の中で視力低下が報告されるケースはほとんどありません。

一方で、レーシック(LASIK)などの他の屈折矯正手術では、術後数年で近視が戻る(近視の再発)可能性があることが知られています。レーシックは角膜を削る手術ですが、ICLは目の中にレンズを挿入するだけなので、近視戻りのリスクが低いです。

ICLで使用されるレンズはコラマーという生体適合性が高い柔らかい素材で作られており、目の中で割れる心配はありません。このレンズは非常に長持ちするため、基本的には交換の必要はありませんが、白内障や大幅な度数変更などの場合には摘出や交換が可能です。これもICLの大きなメリットの一つです。